細菌による化膿性炎症です。
最近、乳幼児とくに2歳以下の急性中耳炎の中にお薬を飲んでも治らない難治例や、一度治ってもお薬をやめるとすぐに耳漏を繰り返す反復例が増えています。
これは中耳炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌の中に、内服薬が効きにくい耐性菌が急増してきているからです。
小児科や内科で内服治療に頼りすぎた治療が続けられると、耐性菌の増加や難治例、髄膜炎の出現という結果になりがちです。
現在、PRSPペニシリン耐性肺炎球菌が60%以上をしめております。また耐性をもったBLNARインフルエンザ菌(ウイルスではなく細菌)も増加傾向にあります。これらの細菌が耳管という鼻の奥にある管を登っていき中耳炎を起こします。
▲肺炎球菌顕微鏡像
中耳炎罹患児は鼻副鼻腔炎をもっていることが多く、鼻の奥をいかにきれいに掃除することも大切です。また、難治例では鼓膜切開などの局所処置が重要になります。
▲発熱を伴う急性中耳炎 (右耳) |
▲同様に鼓膜の腫れがみられる (左耳) |
▲中耳腔に膿貯留(右耳) |
▲滲出性中耳炎に移行(右耳) |
▲鼓膜切開後(右耳)